「最近キッチンが使いづらいな」と感じる方はいらっしゃいませんか。
年を重ねるにつれて、いままでと同じキッチンを使うのが負担になってくることもあるでしょう。
キッチンは、火や刃物を使用する場所なので、使いづらいと感じている状態でキッチンを使い続けると、事故につながる可能性もあります。
私たちの住む山形市は、65歳以上の高齢者が7万人を超え、「高齢化率」も28%と進行しています。
そこで、高齢独居老人の離れた家族が安心できるように、今回は高齢者にとっての使いやすいキッチンについてご紹介します。
1つ目の条件は、「安全性の高さ」です。
高齢者が使うキッチンで、最も重視すべきかつ使いやすさにつながる条件が「安全性」です。
キッチン周りには、火、刃物、割れ物など住宅の中でも特に危険が潜んでいます。
特に高齢者は、途中でやりかけている作業を忘れてしまったり、反応が遅れてしまったりします。
安全性に欠けたキッチンでは、思わぬ事故やケガに繋がるかもしれません。
シニア世代のキッチンリフォームをお考えの場合は、安全性をまず一番に考えて、キッチンの形状、設備の機能、収納の高さなどを工夫しましょう。
2つ目の条件は、「身体への負担の少なさ」です。
若いころよりも筋力や体力が衰えたことにより、当たり前にできていた動作が負担に感じるようになってくるものです。
年齢による足腰の衰え視力の低下などを避けるのは難しいでしょう。
高いところやキッチン下の収納は、物を取り出すときに足腰に負荷がかかります。
また、調理中常に立ちっぱなしでいることも身体への負担につながります。
リフォームをする際は、今の自分、そして未来の自分が使い続けることを考えて、身体への負担の少ないキッチンづくりを心がけましょう。
1つ目の具体例は、ガスコンロからIHコンロに変えることです。
火災事故の原因の多くは、衣類への着火と火の消し忘れです。ガスコンロからIHコンロに変えるだけで、火の燃え移りの心配をする必要が無くなり、火災事故を未然に防止できます。
ガスコンロを長年使い慣れている方は、IHの火加減に最初は戸惑うかもしれません。
しかし、IHは揚げ物がカラッと揚がったり、お湯もすぐに湧いたりといったメリットがあります。
また、最近のIHコンロには、音声ガイドが付いた製品、一定時間過ぎると自動的に消火する機能、消し忘れを防止する機能が搭載されているものがあります。IH初心者でも簡単に操作できますし、高齢者にとっても安全で快適なキッチンにつながることでしょう。
2つ目の具体例は、掃除がしやすい設備を取り入れることです。
キッチンの油汚れは放置しておくと、頑固汚れになりやすい特徴があります。そのため、なるべく毎日調理後は掃除をしたいものです。しかし、料理で疲れているので、掃除はなるべくラクに済ませたいですよね。掃除がラクになると身体的負担も軽減されるため、高齢者のためのキッチンには掃除のしやすさが大切です。
先述したIHコンロは、五徳がなく使用後にサッと拭きとるだけでお手入れ完了です。キッチンの換気扇は、内部のファンやフィルターを自動洗浄してくれる機能や、継ぎ目や段差をできるだけ減らした機能が搭載された製品も各社から販売されています。キッチン周りの壁紙も、掃除がしやすく臭いがつきにくい壁材に変更すると、掃除による毎日の負担が軽減されます。
最後の具体例は、キッチンの配置や収納の高さを変えることです。
高いところに手を伸ばしたり、低いところに腰をかがめたりする作業は、高齢者にとって身体に負担がかかります。また、長時間立ちっぱなしでの作業台での調理も、足腰に負担になることでしょう。
高いところに収納がある場合は、手を伸ばしたり踏み台に上ったりする必要がないように、自動昇降式戸棚がおすすめです。ボタンひとつで高いところの収納が降りてくるので、身体への負担を軽減できます。低いところの収納は、開けやすいようにスライド式扉にするといいでしょう。また、調理中に座って作業できるように、シンク下や作業台下をオープンにして椅子を置ける構造になっているキッチンもメーカーが展開しています。
今回は、安全で快適なキッチンの条件とその具体例についてご紹介しました。
ご自身のいまとこれからの身体状態、そしてライフスタイルに合わせたキッチンづくりが大切です。なるべく身体への負担を減らして、安全で快適な生活をおくってくださいね。ぜひこれらの情報を参考に、キッチンのリフォームをご検討ください。