「暖房をつけても部屋が全然暖かくならない」と感じる方はいらしゃいませんか。
住宅の中に、寒い場所と暖かい場所があると、その寒暖差でヒートショック現象が起こりやすくなります。特に年を重ねるにつれて、その危険性は高まってきます。
そこで今回は、寒さ対策が必要な理由とリノベーション方法をご紹介します。
「ヒートショック」とは、急激な温度の変化によって血圧が急激に変わり、失神や脳梗塞などを引き起こす現象です。この現象は、寒い脱衣所から熱いお風呂に入る際など温度差が激しくなる場所で起こりやすいです。湯船で失神してしまい、溺死につながるケースもみられます。
山形県内のヒートショック死亡者数は年間200名を超えると言われています。
なんと交通事故死よりも多いんですね。
特に年配の方や基礎疾患を持っている方は、ヒートショックのリスクが高いので注意が必要です。消費者庁の調べによると、浴室での溺死者のうち約92%が65歳以上の高齢者です。いまはまだ大丈夫かもしれませんが、数年後の自分のためにもヒートショックがおこらない寒さ対策が重要なのです。
寒さ対策には、「高気密」と「高断熱」の2つのポイントを守れているかが大切です。熱を逃がさないための対策が、ヒートショックから身を守ってくれるのです。また、この2点を意識することで、空調や暖房設備が効きやすくなり、冬場は暖かく夏場は涼しい快適な室温を維持できます。
寒さ対策になるリノベーションでは、窓を重要視しましょう。
窓は住宅の中でも空気が出入りしやすく、ガラスの熱伝導により熱を逃がしてしまいがちでな箇所です。断熱性と気密性の高いサッシ、ガラスに交換することで、室内の暖かい空気や熱が外に逃げるのを防げます。例えば「内窓」をつけることで、気密性・断熱性を高めることができ、家全体の寒さ対策につながります。
窓以外にも、壁、天井、床などに断熱材を入れても、寒さ対策になります。断熱材の役割は、熱が伝わらないようにすることで、温度変化を抑えることです。
壁の断熱リフォームには、室内側から断熱材を充填する充填断熱工法と、室外側から断熱材を取り入れる外張り断熱工法があります。床や壁、屋根など屋外に接している部分から、室内の温度は奪われていきます。
天井の断熱リフォームは、断熱材を天井の骨組みの間に敷く敷き込み工法と、綿状の断熱材を吹き込んで行く吹き込み工法が一般的です。
床下の断熱リフォームでは、床材を剥がさないで床下から断熱材を入れられるケースがあります。断熱材を入れると同時に、床材を変えたり、床暖房を取り入れたりするのも寒さ対策におすすめです。
ヒートショックを防ぐためには、脱衣所やトイレの寒さ対策が特に重要です。お風呂に入って温めた体のまま寒い脱衣所で着替えると、当然体温は急激に変化するため、ヒートショックが起こりやすくなります。また、高齢者は夜間にトイレに行く頻度も増えてくると思うので、寝室から急に寒いトイレに行くのも危険です。
ヒートショックを予防するためには、脱衣所やトイレも含め家全体の気密性・断熱性を高め、他にも、トイレや洗面所なども冬場に寒くなりやすいので、注意するようにしましょう。
今回は、寒さ対策をする理由とそのリノベーション方法をご紹介しました。
家の中の温度を一定に保つことで、ヒートショックの危険性を減らせます。熱を逃がさないための工夫を施し、快適なリノベーション住宅をご検討してみてはいかがでしょうか。
弊社事務所内に「断熱体験ルーム」がございますので、お気軽にご相談いただければ幸いです。