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スタッフブログ

2021.05.07

新耐震か旧耐震か。耐震基準の違いと見分け方とは?

みなさん、こんにちは。
お陰様で好評につき、前回につづき耐震についてです。

中古住宅を多数扱う弊社においては、お客様からよく質問されるのが「耐震」についてです。

「耐震基準」という言葉は聞いたことがあっても、どのようなものなのか詳しく知らない方は多いと思います。
災害が少ないといわれる山形でも、大規模な地震に備えて安全な住宅に住みたいものですよね。

ご家族が安心して暮らせる住まいづくりのためにも、新旧の耐震基準について知識を身につけておきましょう。

そこで今回は、新旧の耐震基準の違いや見分け方について改めてご紹介します。

□新耐震と旧耐震の違いとは?

*新耐震と旧耐震とは?

耐震基準は、「建築基準法」という法律にて定められています。

以前のコラムでも書いてますので、振り返りも含めてになりますが、、、

日本で建築基準法が初めて制定されたのは、1950年になります。

それ以降、建築基準法は建物を建てる際のベースとして、建築物やその構造、敷地、設備や用途の範囲で規制基準を設けてきました。

その基準のひとつとして「耐震基準」が制定されました。

その制定から31年後の1981年(昭和56年)、建築基準法が改正され、人々を地震から守るために耐震基準も改新されました。

この改正前の耐震基準を「旧耐震基準」、改正後の耐震基準を「新耐震基準」と呼んでいます。

年数でいうと、現在2021年ですから、1981年建築とすると現在おそよ築40年のご住宅が境目になりますね、、、


また、1981年から現在に至るまで、旧耐震基準で住宅を新築することは認められていません。

 

*新耐震と旧耐震の違い

では、新耐震と旧耐震にはどのような違いがあるのでしょうか。
「安全面」と「税制面」の2つの側面からご説明します。


まず、「安全面での違い」です。

旧耐震基準では、震度5よりも大きい地震に対しての耐震性の基準は記載されていませんでした。
一方、新耐震基準では、「保有水平耐力が、必要とされる保有水平耐力よりも大きいこと」が定められています。

つまり、震度5強の地震では損傷がなく、震度6強~7の地震では倒壊しないほどの耐性性が基準となっているということです。

近年では、建材の工夫だけでなく、衝撃の受け流し方などで耐久性能を高める技術も発達しているので、安全性がさらに向上しています。

 

”衝撃の受け流し方”とは図のような3種類がございます。

マンションうや一部ハウスメーカーで採用している会社様もありますよね。

詳しくは図の詳細URLをクリックしてくださいね。

耐震・制震・免振の違いとは



次に、「税制面での違い」です。

旧耐震基準で建てられた住宅は、耐震性を証明する「耐震基準適合証明書」(注1)がない限り住宅ローン減税を受けられません(←ここ大事です)

一方、新耐震基準に改正されてから新築した住宅に関しては、「住宅ローン」の減税が適用されます。


住宅ローン減税とは、新築や中古住宅の購入、リフォームなどで住宅ローンを組んだ際に、年末のローン残高の1%が所得税や住宅税より差し引かれるというものです。
(ただし、来年2022年に住宅ローン減税のしくみが変わる可能性があります。)

▶住宅ローン減税についてはこちら


(注1)
耐震適合証明書は、当社のように設計士がいる建築会社で発行が可能です。
ただし、耐震適合証明書を発行するには、耐震診断をして、必要な耐震工事をする必要がでてきます。

 

□新耐震か旧耐震か調べる方法についてご紹介!

では、ご自宅や購入予定の中古物件が新耐震か旧耐震か知るには、どのような方法があるのでしょか。

以前のコラムでも書きましたので、改めて復習です!

それは、「建築確認申請」が受理された日が、1981年(昭和56年)6月1日以前か以降かを確認する方法です。

建築確認申請とは、建物が合法かどうかを確認するために着工前に役所に提出する書類です。
役所に受理された場合、確認通知書(副)が発行され、その日付が1981年6月1日以降なら新耐震基準の建物ということになります。

確認通知書(副)は、建築会社が保管しています。
ご自宅の確認通知書が手元にない場合や、購入予定の中古物件の通知書を確認したい場合は、建築会社に確認をとってみましょう。


もしも確認通知書(副)を紛失してしまった場合、再交付が受けられません。


その場合、どうしたらよいか???

物件所在の市役所に出向き、下記書類のいずれかを入手してみましょう。
(山形市内の物件であれば、山形市役所9Fの建築指導課になります)

①「確認台帳記載事項証明」を発行してもらえば代用として扱えます(山形市役所は無料)

②  建築時の確認申請番号を知りたい場合でしたら「建築計画概要書」を取得すれば大丈夫です(山形市役所は10円)

□まとめ

今回は、建築基準法に定められている耐震基準の新旧の違いや見分け方をご説明しました。
新旧で、その安全性や税制のしくみが大きく異なります。

当社では、耐震金物の活用や耐震診断などの実施で不安を少しでも減らす工夫を行っております。
不明点などございましたら、お気軽に当社までお問い合わせください。

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