家の断熱効果を高めるために、断熱改修工事（断熱リフォーム）をする人が増えています。日本の住宅の断熱性能の現状は、どうなっているのでしょうか。断熱リフォームについて、工法や断熱材の種類などもあわせて解説します。
まず、日本の中古住宅の断熱性能を見てみましょう。
現在、日本には築35年以上の中古住宅が、約1,369万戸あると言われていました(2013年時点)。しかし、その中には、断熱性能が十分でない住宅が約39％を占めています。断熱性能が日本で重視されるようになったのはここ数年のため、中古住宅の断熱性能が低いのは仕方のないことかもしれません。
しかし、そのような住宅を断熱リフォームしようとしても、改修工事が難しいのが実情です。なぜなら、中古住宅の経年劣化は、壁を開けて中を見ないと分からない部分があり、外見だけでは断熱改修工事を行うべきか、建て替えるべきかの判断がつかないことが多いからです。場合によっては、シロアリにやられていたり水漏れで腐食していたり、床下まで見ないとわからないこともあります。
海外では、中古住宅のリフォームや省エネ改修はいまや当たり前になっていますが、日本ではかなり遅れているのが現状です。例えば、2013年の国土交通省と総務省のデータによると、日本の中古住宅の流通量は欧米諸国の6分の1から5分の1ほどしかありません。日本人は新築を好む傾向が強いため、必然的に中古住宅の断熱リフォームも進歩が遅れてしまったのでしょう。
近年は国がさまざまな省エネに関する補助金制度を設けたことにより、断熱リフォームも重視されるようになってきました。では、断熱改修工事（断熱リフォーム）はどのような工法で行われ、どのような断熱材を使用するのでしょうか。
＊充填断熱工法と外張り断熱工法
断熱リフォーム工法には、柱などの構造物の内部に断熱材を入れる「充填断熱工法」と、構造物の外側に断熱材を張りつける「外張断熱工法」の2つがあります。
充填断熱工法は、外張断熱工法より比較的コストが抑えられます。また、断熱性能が経年劣化しにくく、安定しているのもメリットです。一方、外張断熱工法は、施工後に比較的確認が容易なのがメリットとしてあげられます。この2つを両方とも行う工法もあり、どこまで断熱効果を求めるかで選ぶ工法が変わります。
＊断熱材の種類
充填断熱工法に使う断熱材には、フェルト状のグラスウール、発泡軟質ウレタン、発泡硬質ウレタン、硬質ウレタンフォーム、セルロースファイバーなどがあります。外張断熱工法に使う断熱材には、発泡プラスチック系のEPSが多く使われています。
自社施工現場写真「発砲ウレタン吹付」の様子
どの断熱材が優れているかは一概には言えません。それぞれの断熱材に、メリットとデメリットがあり価格も違います。そのため、リフォームの規模や予算によって、断熱材を選ぶことになります。どの断熱工法を採用し、どの断熱材を使用すればいいのか、断熱の知識が豊富なリフォーム会社に相談してみましょう。
新築住宅と違って中古住宅の場合は、断熱性能が十分でないケースがほとんどです。また、日本では、新築であっても十分な断熱性が確保されている住宅がいまだに少ないのが実情です。近年は、省エネ基準の説明義務化や省エネ補助金制度により、断熱リフォームへの関心は高まってきました。断熱リフォームには、充填断熱工法と外張断熱工法の2つがあり、使われる断熱材にもいろんな種類があるので、どの工法でどの断熱材を使用すべきか、信頼できるリフォーム会社に相談してみましょう。
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