定額減税についての詳細を知ることで、家計の節約や給与計算の際に役立ちます。
この記事では、定額減税の概要とその計算方法について解説します。
定額減税の仕組みと月次減税
定額減税は、所得税と復興特別所得税の源泉徴収額から減税額を控除することで実現します。
給与所得者が対象となり、月次減税と年調減税の二つの方法で減税が行われます。
1:月次減税の計算方法
月次減税は、主たる給与の支払者から支給される最初の給与や賞与に対して適用されます。
例として、月次減税額が30,000円の場合、6月の最初の給与からその金額を控除します。
例えば、6月に支払われる賞与の控除前源泉徴収税額が36,556円であれば、30,000円全額が控除され、残りは従来通りの方法で源泉徴収されます。
控除しきれなかった金額は次回以降の給与や賞与から順次控除されます。
2:年調減税の計算方法
年調減税は、月次減税で控除しきれなかった金額を年末調整で精算する仕組みです。
年末調整時に提出された扶養控除等申告書に基づき、年調所得税額から年調減税額が控除されます。
控除後の所得税額に102.1%を乗じて、復興特別所得税を含めた年調年税額を計算します。
家族構成別の定額減税効果
定額減税が家計に与える影響を具体的に理解するために、家族構成別にシミュレーションしてみましょう。
1:単身世帯の場合
月収30万円の単身世帯では、定額減税により年間の所得税が3万円、住民税が1万円減税されます。
通常、6月の給与から源泉徴収される所得税と住民税はそれぞれ6750円と1万2670円で、定額減税により6月の手取りは1万9420円増加します。
控除しきれなかった2万580円は次回以降の給与等から差し引かれます。
2:夫婦世帯の場合
片働きの夫婦世帯では、年間の所得税が6万円、住民税が2万円減税されます。
通常、6月の給与から源泉徴収される所得税と住民税はそれぞれ5140円と8420円で、定額減税により6月の手取りは1万3560円増加します。
控除しきれなかった6万6440円は次回以降の給与等から差し引かれます。
3:子育て世帯の場合
配偶者と子ども1人を扶養する世帯では、年間の所得税が9万円、住民税が3万円減税されます。
通常、6月の給与から源泉徴収される所得税と住民税はそれぞれ3510円と4170円で、定額減税により6月の手取りは7680円増加します。
控除しきれなかった11万2320円は次回以降の給与等から差し引かれます。
まとめ
定額減税は、所得税と住民税を控除することで家計の負担を軽減する制度です。家族構成によりその効果は異なりますが、適切に活用することで毎月の手取りが増えることが期待されます。
この記事では、月次減税と年調減税の仕組み、および家族構成別の定額減税効果について解説しました。ぜひ、定額減税を理解し、給与計算に役立ててください。